パキシルの効果

グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:マーク・デュノワイエ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、1月23日付で抗うつ剤パキシル錠 20mg」、「パキシル錠10mg」(一般名:塩酸パロキセチン水和物)が強迫性障害の効能・効果を取得したことをお知らせします。

強迫性障害のおもな症状は不要な考えが心の中に繰り返し起こる「強迫観念」と、それを打ち消すために行われるさまざまな「強迫行為」です。手を何度も洗わずにはいられないとか、戸締まりを何度も確認しなくては気がすまないなど、誰でもたまには経験する行動ですが、それが習慣的かつ非常にエスカレートして生活に支障をきたすほどの状態が強迫性障害です。そして、患者さんが自分の不快な考えについて「こだわりすぎだ」と判断できるにも関わらず、こだわらずにいられないことが特徴です。

強迫性障害の有病率は2〜3%で、総患者数は全世界で5000万人以上であるといわれています。1) また、WHOの報告では、生活上の機能障害を引き起こす10大疾患のひとつに挙げられています。2)

強迫性障害の患者さんの脳内では、健康な人に比べてセロトニンの働きが不足していると考えられています。「パキシル錠」は、脳内のセロトニンの再取り組みを選択的に阻害することで、脳内のセロトニンの働きを高めることにより症状を改善します。強迫性障害に対するパキシルの有効性・安全性を検討する臨床試験(プラセボ対照多施設二重盲検比較試験)においてパキシル群はプラセボ群と比較して有意な改善を示し、本領域の治験では非常に優れた成績をもって承認されました。

パキシル錠」はうつ病うつ状態に加え、多くの不安障害の適応を有するSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:選択的セロトニン再取り込み阻害剤)で、世界100カ国以上で承認され、1億人以上の使用実績があります。また1日1回夕食後服用と簡便であり患者さんの服薬の負担を軽減します。

日本においても2000年11月の発売以来「うつ病うつ状態」及び「パニック障害」の治療薬として貢献してきましたが、今般の「強迫性障害」の効能・効果追加により、患者さんのQOL向上により一層寄与することが期待されます。

GSKの社長 マーク・デュノワイエは「パキシル錠は、日本での発売以来、100万人以上の患者さんに使用され、いまでは抗うつ剤のリーディングプロダクトに成長しました。今回新たに強迫性障害の効能・効果を取得したことにより、患者さんにとっての治療の選択肢が増えたことは大変喜ばしいことです。米国における最近の広範な疫学調査によれば、18歳以上のうつ病あるいは何らかの不安障害の生涯有病率は40%を超えていると報告されています。パキシル社会不安障害全般性不安障害、外傷後ストレス障害についての適応拡大も進めており、うつ病および不安障害の治療薬として、より一層患者さんに貢献すべく鋭意努めたい。」と述べています。

自分自身がパニック障害になったときにパキシルを飲んでいた時期があるけれども副作用が半端じゃなくて、レキソタンエリスパンに切換えました。パニック障害だから第一選択薬がパキシルっていうのは正しい判断かどうかわからないけれども、少なくても自分には合わなかった。パキシルが効くセロトニンレセプターは多種類あって、そしてそれらのレセプターも遺伝子構造が多様(個人によって違う)なので全ての人にパキシルが効くとは限らない。よって治療薬の選択肢も沢山あるわけで。。。今飲んでる薬は本当にあなたにとって最良の治療薬ですか?

出 典:
1) Obsessive Compulsive Disorder: a practical Guide 2001
2)Murray CJL, Lopez AD. Global burden of Disease: A comprehensive assessment of mortality and morbidity from diseases, injuries and risk factors in 1990 and projected to 2020, vol 1.Harvard:
World Health Organization, 1996