誰かさんの喫煙についての検証

禁煙を始めると、3分の2程度の人が、体重が2〜4kgほど増加してしまう、いわゆる「禁煙太り」を経験するといわれています。禁煙太りの原因は、“食べ過ぎ”や“エネルギー代謝の減少”です。

禁煙太りによる食べ過ぎには、2種類あるとされています。1つが、それまでニコチンにより抑えられていた食欲が回復することによる食べ過ぎ。もう1つが、禁煙による禁断症状である“口寂しさ”を解消するための、間食の食べ過ぎです。

また、厚生省(現厚生労働省)の「喫煙と健康―喫煙と健康問題に関する報告書 第2版」によれば、ニコチンを摂取すると、エネルギーの代謝が活発になることが分かっています。

もっとも、禁煙太りによる体重増加は、一時的なものと考えてよいようです。禁煙を開始してから2〜3週間ほどたつと、体重が安定する人が多いからです。とはいえ、体重の増加はできるだけ避けたいもの。禁煙太りを防ぐには、次のような方法があります。

禁煙太りの予防には、禁煙に特有にみられる口寂しさなどを上手に解消することが重要となります。

禁煙による口寂しさの多くは、甘いお菓子などを食べることで紛らわしがちです。この場合、余分なカロリーを取らないためにも、間食は「カロリーの無いもの、もしくは低いもの」にする必要があります。

例えば、口が寂しくなったら水やお茶を飲みましょう。固形のものが欲しければ、糖分の少ないガムや仁丹、干昆布を口にすると良いとされています。また、何かを食べなくても歯を磨くことでも口寂しさを解消できます。

もちろん食べ過ぎを防ぐには、普段の食習慣を見直すことも大切です。1日3食をきちんと取ること、食事の量は腹八分目ですますようにすること、食事の時はよくかんで、ゆっくり食べるようにすること――などを心がけましょう。

なお、食欲を抑えるには、薬に頼る方法もあります。禁煙外来などで「禁煙パッチ」や「ニコチンガム」などの禁煙補助薬が処方されることがあります。禁煙補助薬を使うと、体内にニコチンが取り込まれ、ニコチンの禁断症状が緩和されるのです。つまり、ニコチンの作用で食欲が抑えられるというわけです